
恒温恒湿器は一見どれも同じですが、選び方で試験効率や再現性が大きく変わります。
条件や運用に合わない機種は、サイクルの滞りや記録作業の負担が生じやすくなります。
本ガイドでは、環境試験で起きやすい課題を起点に、現場に合ったモデルを選ぶためのポイントと3つの候補機種を紹介します。



※1 オプションのタンクを増設した場合の連続運転時間
※2 参照元:【PDF】安定性試験チャンバー|ナガノサイエンス公式(https://www.naganoscience.com/ja/wp-content/uploads/2023/11/NST_2023all_1127.pdf)

HIFLEX NEO-ESは、1台分の設置面積に最大3槽を重ねられる段積み構成を採用。
各槽を独立制御できるため、温度・湿度・試験時間の異なる条件を一度に進められます。
既存設備を増やさずに評価ラインの回転率を向上し、限られたスペースでも順番待ちや遅延を抑制。開発スケジュールを乱さない試験環境を整えられます。
独自の水蒸気回収機構とUV殺菌により、加湿水の清浄度を長期間維持。
1度の給水で85℃/85%RHの環境を最大1,000時間連続運転※でき、補水や清掃による停止リスクを大幅に低減します。
夜間・休日の監視負担を軽減し、長時間の耐久試験を中断なく実施可能。
運用面の手間を減らしつつ、試験を止めない設計が評価業務の効率化に寄与します。

| 試験対象 | 乳酸菌発酵技術を応用した食品素材 |
|---|---|
| 導入背景 | 製品形態の多様化に伴い厳密な試験が必要に |
| 導入効果 | 長期運用を安定実施、評価環境を強化 |
乳酸菌の発酵技術を応用した食品を開発するビーアンドエス・コーポレーション研究開発センターでは、海外展開や製品形態の広がりにより、試験環境の精度向上が必要になっていました。
同センターは長期運用の信頼性と環境負荷を重視し、低GWP冷媒R448Aを採用したHIFLEX NEO-ES(SXN402-E)を選定。
導入後は安定稼働が続き、運用面の負担も少ない状態。
日常点検は慣れにより効率化が見込め、長期使用を見据えた環境づくりに寄与しています。
温度・湿度の安定した環境をつくれる恒温恒湿器です。
−40〜+100℃、20〜98%RHの幅広いレンジに対応し、±0.3℃/±2.5%RHの精度で設定値に追従。槽内の温湿度ムラを抑え、独立運転できる各槽が高精度センサとインバータ冷凍機構と連動し、試験の再現性を確保します。
| 内容量 (L) | 61 × 1〜3 / 180 × 2 |
|---|---|
| 温度範囲 (°C) | -40℃〜+100℃ |
| 湿度範囲 (%RH) | 20%RH〜98%RH |
| 温度上昇時間 | 35分以内 -40℃から+100℃まで |
|---|---|
| 外形寸法 (W×H×D mm) |
W660×H1285×D1040、W760×H1855×D1645 |
| 内寸法 (W×H×D mm) |
W500×H350×D350 × 1〜3、W600×H600×D500 × 2 |
| 質量(kg) | 190~470kg |
| 保証期間 | 5年 |
ETAC(楠本化成の環境試験機ブランド)は、電子部品・自動車分野を中心に恒温恒湿器を提供しています。
試験現場の声を受託試験から開発へ還元。「安心・快適・手間いらず」を軸に省スペース・省力化と安定制御を両立する価値を届けています。
| 所在地 | 東京都千代田区内神田1-11-13 楠本ビル |
|---|---|
| 電話番号 | 03-3295-8681 |
| 公式URL | https://etac.jp/ |

最大18℃/分の昇温・降温速度を実現。
−40~+85℃/30~95%RHの条件を短時間で繰り返し、温湿度サイクル試験を効率的にこなします。
試験時間を短縮することで、限られた期間でもより多くの試験を処理可能。開発リードタイムの短縮や評価ラインの回転率向上に貢献します。
オーバー/アンダーシュートを抑制した制御設計により、 設定値への復帰時間が短く、温湿度の変動幅を最小化します。
試験条件の再現性が高く、データのばらつきや再試験リスクを低減。
精度の高いプロファイルを安定的に再現できるため、 信頼性評価の確実な判断に役立ちます。
導入事例は見つかりませんでした。
幅広い温湿度条件に対応した恒温恒湿器です。−70〜+180℃の温度範囲と10〜98%RHの湿度をカバーし、最大18℃/分の昇降温が可能。
容積は約250~1100Lまで選べ、大型サンプルや多量試験にも対応できます。
設定値への復帰が速く、温湿度の変動を抑えた安定した試験環境を維持できます。
| 内容量 (L) | 249~1100 |
|---|---|
| 温度範囲 (°C) | -70~+180℃ |
| 湿度範囲 (%RH) | 10~98%RH |
| 温度変化速度 (-45⇔+155℃) |
6℃/分~18℃/分 |
|---|---|
| 外形寸法 (W×H×D mm) |
W800×H1703×D1900、W1300×H1955×D2455 |
| 内寸法 (W×H×D mm) |
W850×H1000×D800、W1000×H1000×D1000 |
| 質量(kg) | 780~1,050kg |
| 保証期間 | 5年 |
環境試験機の専業メーカー。大阪本社を中心に、宇都宮テクノコンプレックスや神戸R&Dセンターなど国内拠点で開発・製造・サービスを一貫して提供し、自動車・電子分野の信頼性評価を支えています。
| 所在地 | 大阪府大阪市北区天神橋3-5-6 |
|---|---|
| 電話番号 | 06-6358-4741 |
| 公式URL | https://www.espec.co.jp |

電子記録・監査証跡(Audit Trail)機能を標準搭載。
操作履歴や変更履歴を自動で記録し、「誰が・いつ・何を行ったか」を明確に追跡できます。
監査時に必要なレポートをシステムから自動出力できるため、 これまで数日かかっていた監査準備作業を大幅に削減。 データの完全性(Data Integrity)を確保しつつ、監査対応の負担を軽くします。
NSTシリーズは、ICH Q1A(安定性試験ガイドライン)に準拠※した恒温恒湿環境を再現。
温度・湿度分布を高精度に制御し、槽内の均一性を保つことで、 医薬品・治験薬・化粧品・食品など、国際的な品質試験にも対応します。
各国当局が要求する基準を満たす高品質な安定性データを取得でき、 監査・査察の信頼性向上にもつながります。
※ 参照元:【PDF】安定性試験チャンバー|ナガノサイエンス公式(https://www.naganoscience.com/ja/wp-content/uploads/2023/11/NST_2023all_1127.pdf)
導入事例は見つかりませんでした。
安定性評価に適した温湿度領域を精密に制御できる恒温恒湿器です。温度20.0〜60.0℃、湿度20.0〜60.0%RHを均一に維持し、槽内の温湿度ばらつきを抑えた環境を再現します。
容量は156~800Lをラインナップし、試験用途に合わせて選択可能。長期間の保存・評価に必要な安定した制御性能を備えています。
| 内容量 (L) | 156~800 |
|---|---|
| 温度範囲 (°C) | 20.0~60.0℃ |
| 湿度範囲 (%RH) | 30~90%RH |
| 温度性能 | ±2.0℃ |
|---|---|
| 外形寸法 (W×H×D mm) |
793×1070×1482(mm)~1193×1370×1850(mm) |
| 内寸法 (W×H×D mm) |
600×400×650(mm)~1000×800×1000(mm) |
| 質量(kg) | 240~405kg |
| 保証期間 | 記載なし |
医薬・バイオ領域の安定性試験/保管向け恒温恒湿槽「NSTシリーズ」を中心に、ICH Q1A等の各国ガイドラインに適合※した環境制御と、電子記録・監査証跡(ER/ES)対応でデータ完全性を担保する装置を提供。
GxP環境での監査対応やバリデーションを意識した設計が特徴で、試験の信頼性向上と監査準備の効率化に貢献します。
※ 参照元:【PDF】安定性試験チャンバー|ナガノサイエンス公式(https://www.naganoscience.com/ja/wp-content/uploads/2023/11/NST_2023all_1127.pdf)
| 所在地 | 大阪府豊中市新千里西町1-2-2 住友商事千里ビル 南館8F |
|---|---|
| 電話番号 | 06-6836-2650 |
| 公式URL | https://www.naganoscience.com/ja/ |
環境試験に欠かせない恒温恒湿器。ここでは、信頼性の高い装置を提供する主要メーカーと、それぞれの特徴を簡潔に紹介します。導入を検討している方は、ぜひ比較の参考にしてください。

小型多段積みの省スペース型から汎用中型、コストバランス型まで揃い、いずれも温度±0.3℃・湿度±2.5%RHの高精度制御。
比較試験の効率化や長期試験の安定運用に強い。
| 所在地 | 東京都千代田区内神田1-11-13 楠本ビル |
|---|---|
| 電話番号 | 03-3295-8681 |
| URL | https://etac.jp/ |

高速ランプ対応のARを中心に、設定復帰が早くばらつきが少ない制御性が強み。
温湿度サイクルを短時間で安定消化でき、再試験リスクを抑えつつ評価回転数を高めたい現場で活用できる。
| 所在地 | 大阪府大阪市北区天神橋3-5-6 |
|---|---|
| 電話番号 | 0120-701-678(カスタマーサポートデスク) |
| URL | https://www.espec.co.jp/ |

小型から大型まで全機種でタッチパネルとプログラム運転を標準化。
操作を統一し教育コストを抑えたい現場に使いやすく、研究から品質保証まで部門横断で導入しやすい恒温恒湿器メーカー。
| 所在地 | 東京都中央区晴海1-8-11 晴海トリトンスクエア Y棟36F |
|---|---|
| 電話番号 | 03-5548-7101 |
| URL | https://www.yamato-net.co.jp/ |

スタンダード機から低湿対応機まで揃い、KT計装の高精度制御と堅牢設計で長時間試験を安定化。データ管理や記録性にも強く、品質保証部門や多条件サイクル試験を行う研究開発に向いている。
| 所在地 | 埼玉県富士見市下南畑3767-8 |
|---|---|
| 電話番号 | 049-251-1205 |
| URL | https://kato-net.co.jp/ |

長時間の高温高湿試験にも耐える堅牢設計と静音性が強み。
中型槽から大型ウォークインまで展開し、運用コストと安定性を重視する開発・品質保証部門に適した恒温恒湿器メーカー。
| 所在地 | 新潟県三条市荻堀字藤平1397-42 |
|---|---|
| 電話番号 | 0256-46-2200 |
| URL | https://www.isuzuseisakusho.co.jp/ |

温湿度×振動の複合環境試験に対応するモデルや、高度なプログラム設計ができる恒温恒湿槽を展開。
制御レンジと柔軟なシーケンス構築力に強みがあり、精密評価や複合試験を行う現場に適したメーカー。
| 所在地 | 東京都中央区日本橋本町4-5-14 |
|---|---|
| 電話番号 | 0120-209-045 |
| URL | https://www.irie.co.jp/ |

「エンビロス」シリーズを中心に、研究・品質保証向けの安定制御と使いやすいプログラム機能を提供。前面メンテナンスや大型観察窓など運用性に優れ、ラボの連続運転に適している。
| 所在地 | 東京都文京区小石川1-15-17 TN小石川ビル6F |
|---|---|
| 電話番号 | 0120-076-554 |
| URL | https://ssl.eyela.co.jp/ |

低湿再現に強いPS型や太陽電池評価用など、特殊用途に応える恒温恒湿槽を展開。
温湿度の分布精度と除湿方式の幅広さが特徴で、複合環境評価や高度な信頼性試験を進めたい企業に頼れる選択肢。
| 所在地 | 東京都品川区西五反田8-4-13 五反田JPビルディング6F |
|---|---|
| 電話番号 | 03-3494-1221 |
| URL | https://www.emic-net.co.jp/ |

クリーンルーム向け精密空調機PAP-Rを中心に、高精度温湿度制御と大幅な省エネ性を両立。
デフロスト不要の連続運転により、医薬・化粧品・測定室など微細な温度変動を嫌う環境の品質維持を実現しやすい。
| 所在地 | 長野県須坂市大字幸高246 |
|---|---|
| 電話番号 | 026-245-1230 |
| URL | https://www.orionkikai.co.jp/ |

アクリル二層チャンバーを採用した卓上型STC-Vを展開。視認性と省スペース性の両立に強く、限られた研究室スペースで試験観察を行いたいユーザーが扱いやすい。
| 所在地 | 大阪府大阪市北区同心2-1-3 |
|---|---|
| 電話番号 | 06-6353-5141 |
| URL | https://www.sanplatec.co.jp/ |

医薬品安定性試験で求められる基準に準拠したNST・NSWシリーズを中心に、監査証跡や電子記録管理を自動化できる点が特徴。
ICHガイドライン対応やデータインテグリティ確保を重視する試験運用に向いている。
| 所在地 | 大阪府豊中市新千里西町1-2-2 住友商事千里ビル 南館8F |
|---|---|
| 電話番号 | 06-6836-2650 |
| URL | https://www.naganoscience.com/ja/ |

冷凍機式とペルチェ式の両方式から選べる柔軟な構成が特徴。広レンジ試験から静音・低振動が求められる実験室用途までカバーし、多様な環境条件に対応した試験設計を行いやすいメーカー。
| 所在地 | 東京都千代田区内幸町2-2-3 日比谷国際ビル5F |
|---|---|
| 電話番号 | 03-5521-2160 |
| URL | https://www.advantec.co.jp/ |
環境試験は温度・湿度変化に対する製品の耐久性を確認する評価。
業界ごとに必要条件が異なり、試験環境と恒温恒湿器の仕様は用途に応じて最適化が必要となります。

恒温恒湿器のコストを初期費用から運用・保守・停止損失・更新まで網羅的に整理。
購入価格だけではなく、TCOを基準に用途や稼働率に合った機種を選ぶ必要があります。

半導体、自動車、製薬、食品、建材などの分野で温湿度試験が行われています。
各業界が恒温恒湿器で実環境を再現し品質評価や信頼性確保に取り組んでいる事例をまとめました。

自動車部品の耐久性を確認するための高温多湿、急激な温度変化、振動、塩害などを再現した代表的な環境試験。
またその試験を成立させる装置要件、効率的な運用設計や再現性確保のための対策を整理しました。

電子部品の吸湿・腐食・熱応力を評価する主要試験を解説。
温湿度ムラや結露を防ぐ装置選定の条件を示し、温度安定や配置最適化など再現性を保つ運用ポイントもまとめました。

恒温恒湿試験は高温多湿の環境に製品を置き、吸湿や腐食、絶縁低下などの劣化を確認し評価します。
代表条件の85℃/85%RH、試験設計でのDUT配置、装置の均一性や制御精度、データ管理、気流遮断や保守不足による失敗対策までを解説します。
恒温恒湿器は断熱構造と加熱・冷却・加湿で温湿度を作る仕組みです。
槽・インキュベーター・低温型・大型・室型などの違いがあります。
試験条件や設置環境に応じて最適な形式が異なります。
恒温恒湿槽は温湿度を一定に保つ仕組みの試験装置です。
省スペースで多段運用できるタイプや、高速温度変化に対応するタイプ、研究室向けの小型タイプなど、性能や用途の異なる製品があります。
インキュベーターは温度や湿度を長時間安定させる装置です。
温度維持のみの小型タイプや自然対流式、低温まで制御できる強制対流式などの種類があり、各製品の温度範囲や構造によって用途が異なります。
低温恒温恒湿器は低温下で温湿度を長時間一定に保つ装置です。
霜取り不要で連続運転できるタイプや、広い温度範囲を高速で変化させるタイプ、保存試験向けの高精度モデルなどの製品があります。
小型の恒温恒湿器は省スペースで温湿度を再現する装置です。
卓上型やベンチトップ型、広範囲制御に対応した高性能モデルなどがあり、研究室や品質保証部門で限られた設置環境でも精密な試験を行えます。
卓上型の恒温恒湿器は机や実験台に設置できる装置です。
透明チャンバーで観察しやすいタイプや、広い温湿度レンジや高速変化に対応するタイプなどがあり、限られたスペースで精密な試験を行う用途があります。
大型の恒温恒湿器は大きな試験体をそのまま収めて温湿度を再現する装置です。
カスタム対応の大型槽や、人が入れるタイプ、広い温度域で高速変化に対応するタイプなどがあり、大型部品や多量試料の評価に使われます。
人が入室できる大型の環境試験室です。
広い試験空間を備えたモデルや、省エネ性や低温連続運転に強いモデルなどがあり、内部で作業しながら大きな試料の評価が可能です。
恒温恒湿室は部屋全体の温度・湿度を一定に保つ大型設備です。
低温対応型や既存室を恒温恒湿化するユニット型があり、大学や精密機器工場などで大型試料の評価や高精度測定に活用されている事例があります。